メディア情勢

NHK 経営委員長に古賀・野村 HD 名誉顧問 アベノミクス容認の業界出身

 3月12日の毎日新聞サイトは、NHK経営委員会は2月末で退いた森下俊三前委員長の後任に、古賀信行・野村ホールディングス名誉顧問(73)を選出し、委員長代行には榊原一夫弁護士(65)を選んだと報じた。
証券業界はアベノミクスの株式相場つり上げを容認してきた。経営委員長にふさわしい人物なのか。
 同サイトによると、古賀氏は1974年に野村証券に入社後、常務や副社長を務め、2003年に野村HD社長に就任。野村HD会長や経団連の審議員会議長などを歴任した。記者会見で政治との距離を問われ「国民、視聴者とNHKで働く人が生き生きとなることがベンチマーク(標準)」と強調した。かんぽ生命保険の不正販売を報じた番組などの問題については「事実関係を知らないので、言及するつもりはない」と述べた。
 知らないで、いいはずがない。証券会社の社員なら株式など証券の売買を、時の経済情勢から当該企業の製品、販売、従業員の賃金まであらゆることを勘案して決めるはずだ。証券業界は、安倍晋三元首相の進めた日銀による株式の大量買入れを歓迎してきた。視聴者、市民の監視が必要だ。
森下前委員長について、2月26日の朝日新聞デジタル社説は「NHK史上に残る愚を犯した経営委員長が退任する」という、厳しい冒頭だった。
(2023年4月1日 山本邦晴)

ガーシー氏有罪確定 元NHK党参議院議員

 常習的脅迫
3月30日の毎日新聞によると、旧NHK党から当選した元参院議員ガーシー氏が14日に東京地裁で受けた常習的脅迫の判決が確定した。検察、被告側とも控訴しなかった。
ガーシー氏は2022年7月の参院選比例代表で初当選したが、一度も登院せず23年3月の参院本会議で除名された。
判決は、被告が収益目的で動画サイトに暴露投稿し、俳優らを脅迫したことを「被害者に中傷の波を浴びせかけ、卑劣で悪質」などと非難した。(山本)

みんなでつくる党が破産 旧NHK党

 党名9回変え負債11億円
3月14日の帝国データバンク電子版によると、みんなでつくる党(旧NHKから国民を守る党、大津綾香代表)は同日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。
同党は2019年に立花孝志氏が創設以来、「NHK受信料を支払わない方法を教える党」「政治家女子48党」など次々に党名を変えた。23年3月に大津代表が就任して以降、債権者とのトラブルが発生。24年度の政党助成法上の政党要件の喪失が見込まれるため、民事再生法の申し立てを取り下げ、破産の申し立てに移行した。負債は債権者300人に対し、約11億円という。
ちなみに党名変更は「NHKから国民を守る党」から「NHKから自国民を守る党」「NHK受信料を支払わない方法を教える党」「古い政党から国民を守る党」「嵐の党」「NHKと裁判をしてる党弁護士法72条違反で」「NHK受信料を支払わない国民を守る党」「NHK党」「政治家女子48党」「みんなでつくる党」とほぼ4年間に9回もあった。おふざけにも程がある。知名度の高いNHKの名を利用した選挙・政治遊戯というべきだ。軍備拡大を積極的平和と言い換え、ごまかしたアベ政治時代のあだ花でもある。(山本)
NHKとメディアを考える東海の会HP記事 2024.5.29

スマホ視聴も受信料 ネット配信を「必須業務」に

 5月17日、NHKのインターネット配信をテレビ放送と同様の「必須業務」に格上げする改正放送法が参院本会議で可決成立した。NHKのホームページによると、スマートフォンなどの視聴者からも受信料を徴収する。月額は地上契約と同じ水準の1100円になる見込み。スマホやパソコンを持っているだけでNHK番組を見ない場合は支払い義務がなく、既に受信料を払っている場合も追加負担はない。1年6カ月以内に施行される。

文科省がNHK報道に抗議 「定額働かせ放題」

 5月21日の共同通信の配信記事によると、文科省はNHKが中教審特別部会の教員確保策を報じた13日のニュースで「定額働かせ放題ともいわれる枠組み」と表現したことに対し「国民に誤解を与える一面的な報道」だと抗議する文書を出し、ホームページに掲載した。NHKは取材に「指摘はあたらない。これまでも法律の仕組みや背景を丁寧に伝えている」とコメント。教育社会学の内田良・名古屋大教授は「NHKは慎重に表現しているのに、局長名の抗議はだいぶ踏み込んだ印象で驚いている」と指摘した。
 文部科学省はむしろ、表現の自由を守る任務があるはずではないのか。(山本)

世界26の報道団体「AI原則」を発表 著作権保護など求める

 日本新聞協会など世界26の報道・メディア団体が人工知能(AI)の急速な進化に伴う社会的なリスクを軽減させるための「世界AI原則」を発表した。共同通信が9月6日に報じた。AI開発者や規制当局に著作権保護や透明性の確保、説明責任を求めるという。文章や画像を自動で作り出す生成AIは、報道機関やメディアの持つ知的財産の見境ない流用があり、非倫理的で権利侵害に当たると強調した。開発者にどのような著作物を利用したかを記録する義務を設け、報道機関などへの透明性の確保も必要だとした。(共同通信2023.9.6)

ネット配信を本来業務化 総務省の有識者会議案

NHKのインターネット業務の在り方を検討する総務省の有識者会議の報告書案を、共同通信が8月28日に報じた。地上波番組のネット配信を、テレビ放送と同様に「本来業務」に格上げすべきだとし、スマートフォンなどで視聴する人には費用負担を求めることが適当と結論付けた。ネットが普及する中で、ネット配信もNHKが担うべき役割だと明記し、現在の「任意業務」から「本来業務」に変更した。費用負担はアプリをダウンロードし、IDを取得する積極的な行為を要件とした。(共同通信2023.8.28)

両軍死傷者50万人 徴兵逃れも横行

ロシアがウクライナへの侵攻を開始して1年半の節目となる8月23日、共同通信は戦線が膠着し両軍の死傷者は50万人に迫り「戦争終結の展望は開けない」などと報じた。
米当局はロシア軍の死者をⅠ2万人、ウク ライナ軍の死者を7万人に上ると推計。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の統計では、民間人の死者は9400人を超え、627万人が国外に避難した。ウクライナの人口は開戦時に約4300万人とされていた。
戦争が長引くにつれ、ウクライナでは厭戦気分が強まり、徴兵逃れや汚職も後を絶たない。ゼレンスキー大統領は8月11日に、徴兵事務に当たる国内全州の軍事委員の解任を決定した。読売新聞WEB8月21日によると、国境では毎日20~30人が偽装出国で拘束されている。

人事改革、前会長の路線転換 失敗と執行部

 NHKは前田伸晃前会長が実施した人事制度改革を「失敗」と位置づけ、大幅修正する方針を固めたと、毎日新聞が8月9日報じた。
それによると、前田氏は年功序列や職種間の縦割り解消を目指した施策を導入したが、局内から「制度の急激な変更で退職者が次々に出ている」といった不満が噴出したため、現執行部が修正を決断した。人事制度をめぐって、外部とのコンサルティング契約が2020年度に1億円以上になったことも分かっており、経費の是非も検証が求められる。
 NHKの稲葉延雄会長は8月8日、毎日新聞の取材に対し「(現行の制度から)180度変える。シニア層も活用しながら、みんなが働きやすい仕組みにする」と話した。(毎日2023.8.9)

ニュース9のコロナ不適切報道で懲戒処分

 NHKのニュースウオッチ9の新型ウイルスワクチンに関する報道で、ワクチン接種後に亡くなった人の遺族を、新型コロナに感染して亡くなった人の遺族のように視聴者に誤認させたとして、NHKは7月21日、取材を担当した報道局映像センターの職員ら計4人を出勤停止14日などの懲戒処分にすると発表した。担当した職員は取材意図をインタビュー相手に明確に伝えず、発言の趣旨を踏まえずに編集した。上司らは取材・制作の指導やリスク管理を怠った。(2023.7.21共同通信)

本来業務化ありきの議論 NHKのネット事業に新聞協会

 NHKのインターネット事業をテレビやラジオの放送と同じ「本来業務」として認めるかどうか議論する総務省の有識者会議に対し、日本新聞協会のメディア開発委員会は5月19日、「本来業務化ありきの議論といわざるを得ない」とする意見書を提出した。
 NHKがネット事業を本来業務にすれば、メディアの多元性や言論の多様性に影響すると指摘。民主主義の根幹に関わる論点については「(有識者会議のみで)結論を出すのは妥当ではないのではないか。より幅広い主体を交えて開かれた議論が行われるべきだ」と強調した。議論の前提として、NHKが自らネット事業の具体像を示すことも求めた。(2023.5.19共同通信)

新BSのチャンネル名発表 12月から2波に

 NHKは4月19日、12月から衛星放送を再編して始める2つのチャンネル名を「NHK BS」「NHK BS プレミアム4K」とすると発表した。「NHK BS」は現行の「BS1」と「BSプレミアム」を一本化し、「BS4K」から「NHK BS プレミアム4K」となるチャンネルは4Kの映像技術を生かし、特集番組や超高精細映像のドラマなどをラインナップとする。1月に発表した事業計画で、BS放送のチャンネル1波の削減を明らかにしていた。
(NHKホームページ)

リネカー氏BBC降板も即復帰 政府の移民法批判

 サッカー元イングランド代表のゲーリー・リネカー氏は3月10日、英国政府の移民政策を批判し、BBCのサッカー番組の司会を降板させられたが、「政府の圧力に屈した」との批判が相次ぎ、BBCは3日後にリネカー氏と番組復帰で合意した。リネカー氏は英政府の密入国した移民を追放するための法案に対し「弱い者への残酷な法案だ」と批判した。
 リネカー氏はJリーグ開幕の1993年に名古屋グランパスに在籍した。(2023.3.13共同通信)

入管改正案を国会提出 難民申請中でも退去強制

 政府は3月7日に入管法の「改正案」を国会に提出した。4月21日に全国でこの法案の撤回を求める集会やアクションが行われた。東京・国会前では2000人が集まり、大阪では約100人が街頭で訴え、名古屋駅前でも40人が、名古屋入管に収容中に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんの例を挙げ、法案の撤回を市民に呼び掛けた。
改正案は2年前に廃案になったものとほぼ変わらず①現行の「難民認定手続き中は送還を一時停止」としていたのを、難民認定申請による送還停止の回数を2回に制限し、申請中でも国外退去を強制できる②収容に代え、知人などを監理人として難民らを監督させ報告を義務付ける③紛争を逃れてきた人らを主な対象に「補完的保護対象者」の制度を設ける-などだが、就労の禁止は変わらず、難民の人権を認める措置にはほど遠い。
 就労ができなければ、生活費は稼げない。国内の難民・避難民は民間の善意に頼ってかろうじて生きながら得ているのが実状だ。命からがら戦乱や紛争を逃れてきた難民・避難民を追い返すのは人道的に間違っている。
 政府側は4月26日に衆院法務委員会の採決、27日に本会議の採決を狙っているとされる。反対行動を広めよう。
日本は憲法9条のおかげで、1945年の第2次大戦終結して以来、80年近く平和を保っている。武器を捨て、生活に役立つ家電や自動車などの製品をつくって経済大国となった日本を、世界の人々は敬意と羨望をもって見ている。難民・避難民に平和な日本で働いてもらい、穏やかな日常を取り戻すことこそ、日本のすべきことだ。日本国民の道義・道徳心が問われている。

http://nhkthinktokai.nyx.link/remoty/media/2023.4.21%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E9%A7%85%E5%89%8DDSC.JPG

受信料来年10月に値下げへ(2022.10.11)

 NHKは10月11日、地上波のみの受信料を現行の月額1225円から125円下げ、衛星契約を同2170円から220円値下げすると発表した。いずれも来年10月から実施する。
 また、2021-23年度のNHK経営計画の修正案を発表し、24年3月までに現行の衛星波3波のうち1波を削減し、「BS2K」「BS4K」の2波に再編する方針を示した。さらにNHK傘下の子会社や財団などを削減して全体の規模を縮小して「スリムで強靭な体制」を図るとし、「訪問によらない営業活動の推進」にも取り組み、受信料の値下げ後も営業経費率が10%を下回る水準を維持するとしている。

重大な倫理違反とBPOが意見書 東京五輪番組で偽の字幕(2022.9.9)

 NHKBSの番組「河瀨直美が見つめた東京五輪」で、五輪反対デモに参加した男性が金銭で動員されているとの誤った字幕を付けた問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)は9月9日「重大な放送倫理違反がある」との意見書を公表した。BPO検証委員会は「事実確認せずに放送したことと、編集過程での発言のすり替えは故意に匹敵する」と判断理由を述べた。
 番組は、取材で出会った男性の映像に「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕を付けて放送した。実際は事実確認をしていなかった。
 意見書は、事実確認など取材に基本を怠ったことや、編集で男性が別のデモに関して述べた発言を五輪デモの発言にすり替えたことなどを指摘。放送倫理基本綱領などに違反するとした。(共同通信)

JCJ「国葬」でメディアに要求「明確に反対の論陣を」(2022.8.8)

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は8月8日、岸田文雄首相が安倍晋三元首相の「国葬」実施を閣議決定したことについて、主要メディアに対し、国民主権、民主主義とは相いれないという立場を明確にして、反対の論陣を張るよう求める声明を発表した。声明は、「国葬」実施の閣議決定に批判が強まっているが、「主要メディアの『国葬』に対する姿勢はあいまいだ」と指摘。主要メディアの批判は、国会で説明していないことなどに重点が置かれているが、旧統一協会とのつながりも重要な問題として追及すべきだと強調している。
 また、「国葬」への抗議行動が監視や取り締まりの対象になる恐れがあることや、「国葬」に類する政治的行事が今後乱発される危険に懸念を示している。そのうえで「『国葬』強行は、戦前回帰、異論封殺、国民総動員につながりかねないという危機感を持って、報道機関は取材にあたってほしい。戦後ジャーナリズムの原点に立ち返って『国葬』にきっぱり反対の論陣を張る」よう呼びかけている。

在名民放5社の2022年3月期決算は5社とも増収増益(2022/5/28)

 中部日本放送、(TBS系列) 放送関連事業が前期比2割近く増収、番組間に流す。テレビスポットCM収入12.1%増えた。東海テレビ(フジテレビ系列) 市況が急激回復、情報通信や飲料、し好品など多くの企業がプラス。名古屋テレビ放送(テレビ朝日系列) 前期と比べてほぼすべての業種が伸びた。テレビ愛知(テレビ東京系列) CM収入増加に加え「ジュラシック大恐竜展」、「やきものワールド」などのイベント開催で増収貢献。中京テレビ(日本テレビ系) 6年ぶり増収増益だったが、4月と5月のスポットCMは前年同期比1割近く減った。非常に厳しいスタートとなった。中日

22年3月期決算、民放5社、広告収入の回復で全社最終増益(2022/5/13) 

民放キー局5社の3月期決算が13日に出そろい、全社が前の期比で最終増益となった。広告収入が好調に推移し、動画配信サービスへのコンテンツ販売も好調だった。フジ・メディア・ホールディングスとテレビ東京ホールディングスの増益率は2倍超と大きく伸びた。中日他

NHK番組4割入れ替え 「がってん!」惜しむ声・若者シフト(2022/4/21)

 NHKは今春、2003年の地上デジタル放送開始以来で最大規模となる番組改編に踏み切った。
番組の終了や新設、時間変更が占める「改編率は」総合、Eテレを合わせた時間の42%、地デジ開始以来で最高。94番組が姿を消し、「ガッテン」は27年、「バラエティー生活笑百科」は37年で幕となった・
「視聴者の支持がある番組までやめるのは理解しがたい」「ガッテンは健康志向が強まる時代に大きな役割を果たしてきた」と視聴者の声。一方、112番組が始まり、家族視聴を意識した時間帯の報道番組を強化。午後10時代の「夜ドラ」はネット配信でも見やすい15分間で若い世代を狙う。
朝日

聖火ランナー中継報道中に沿道の「五輪反対」の声を消した(2021/4/7) 

 NHKがネットで行っている東京五輪の聖火リレーの生配信で4月1日、「オリンピックに反対」などという沿道からの声が聞こえた途端に音声が約30秒間途絶えた。NHKは取材に「さまざまな状況に応じて判断し、対応した」として、技術的な問題ではなく意図的に音声を消したと認めた。異論を封じ込めるような行為は許されるのか。中日他

NHKが不適切字幕問題で謝罪、ドキュメンタリー番組で不確かなテロップ流す(2022/1/13)

 NHK大阪拠点放送局は9日、昨年末に放送したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、字幕の一部に不確かな内容があったと発表し、謝罪した。この番組は、東京五輪の公式記録映画監督の河瀬直美さんや製作チームに密着取材したドキュメンタリーで、昨年12月26日に放送、30日に再放送されたもの。五輪反対デモの参加者という人物について取材した際、「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕をつけたが、同局の取材に対し男性は、デモに参加する意向があると話していたものの、実際にデモに参加したかどうかの確認が取れていなかったという。 スポ日、日テレ他

立憲民主党からの資金提供を隠匿していたネットメディアの代表が辞任(2022/1/6)

 政治系のネット番組を制作するCLP社が謝罪文。立憲民主党から1000万円超の資金提供を受けていたが、資金提供の旨を明かさず番組を続けていた。番組出演者らが抗議、CLP社が資金提供の事実を認め謝罪。共同代表の佐治洋氏の辞任を発表した。立憲民主党は資金提供の事実は認めたが、番組制作への関与は否定。1/7日テレニュース他
 関連ニュース
 立憲民主党が調査結果公表、「資金提供は違法ではないが不適切」「福山哲郎氏への処分なし」との見解。NHK政治マガジン他(2022/1/12)

映画「パンケーキを毒見する」を上映開始(2021/7/30~)

 7月30日から映画「パンケーキを毒見する」を名古屋駅前の「ミッドランドスクエアシネマ」で上映開始 
 甘党だという菅義偉首相は、就任直後の記者懇談会でパンケーキをふるまった。携帯料金の値下げなど一般受けする政策をぶち上げる一方で、学術会議の任命拒否問題や国会、記者会見で理解不能な応答を繰り返す。日本政治の現状をシニカルに描き出す「政治バラエティー映画」。
(2021/7/8)

かんぽ生命の不正販売を報じた「クローズアップ現代+」関連の議事録を経営委員会が全面開示

 NHK経営委員会は、かんぽ生命の不正販売を報じた2018年4月の「クローズアップ現代+」をめぐって、経営委が当時の上田良一会長を厳重注意した問題の議事録を全面開示した。NHK情報公開・個人情報保護審議委員会や多数の市民団体が要請していた。

立教大の砂川教授、日本版「放送・通信独立委員会」の設置を提唱

 立教大学の砂川浩慶教授は、日本版の「放送・通信独立委員会」の設置を提唱し、その法律の草案を明らかにした。今年2月に発覚した「総務省接待」の背景には、許認可権限を持つ総務省の権力行使があるとして、日本でも「言論・表現の自由」を守り、国民の知る権利に応えるため、「独立委員会」を導入すべき時期に来ていると呼び掛けた。(2021/6/1)

オリ・パラ報道に関する質問・意見書を提出

「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」など20団体と14名の個人はオリンピック・パラリンピック報道に関する質問・意見書をNHKとオリパラ実施本部に提出した。
定時ニュースなどで、オリ・パラの開催に向けた準備の動静を連日、とぎれることなく、時間を割いて伝えたこと、番組編成が“NHKが自ら東京オリ・パラに向けた「機運醸成」のプレイヤーになっている”ことなどへの意見と質問、またその一環として放送している「聖火ライブ・ストリーミング」という特設コーナーを停止するよう求めた。(2021/5/5)

報道の自由、日本は67位に後退

 国際NGO「国境なき記者団」は2021年の「報道自由度ランキング」を発表した。調査対象180カ国・地域のうち前年から一つ後退して67位だった。日本の状況について、政権批判する記者がSNSなどで攻撃されているなどと指摘。昨年就任した菅首相については「報道の自由の雰囲気を改善するために何もやっていない」と批判。1位は昨年と同じノルウェーで、4位までフィンランドなど北欧諸国が占めた。米国は44位、日本は主要7カ国(G7)の中で最下位、中国は昨年と同じ177位だった。(2021/4/21朝日)

菅首相会見で東京新聞指名ゼロ

 報道機関が「国民の知る権利」に応えようと疑問点などをただす首相会見。菅首相がこれまで行った9回の会見で、各社が何回質問できたかを東京新聞が集計したところ、6回からゼロと大きな差があることがわかった。東京新聞は一度も質問できていない。政府に批判的な社の質問回数が少ない傾向にあり、識者は「官邸によるメディア選別。結果的に国民に不利益を及ぼす」と警鐘を鳴らす。(2021/4/5東京を4/25ジャーナリスト第757号で紹介)

NHK受信料値下げ

 1月18日の施政方針演説で菅首相が「月額で1割を超える受信料の引き下げ」を行うと明言、「首相が施政方針演説に、NHK受信料引き下げを盛り込むなど前代未聞」と立教大学砂川浩慶教授。(2021/4/25 ジャーナリスト第757号)
(関連記事)
 自民党の森山裕国会対策委員長は5月27日、菅義偉首相が1月の施政方針演説で約束した、NHK受信料の値下げのための新制度を盛り込んだ放送法改正案について、今国会での成立を断念する考えを立憲民主党の安住淳国対委員長に伝えた。
 1/13 NHKは、受信料を2023年度に値下げする方針であることを明らかにした。 2021年度から2023年度まで3ヶ年の経営計画のなかに盛り込まれたもの。具体的な値下げ額などには言及されていない。構造改革による支出削減やコスト圧縮、新放送センター建設計画の抜本的な見直し、繰越金の取り崩しなどにより、値下げの原資として700億円程度を確保するとしている。

NHK、管理職を3割削減 早期退職募集

 NHKが50~60歳の職員を対象に早期退職者を募集し、管理職の約3割削減、職種別の採用の一本化などの人事制度改革を行うことが1月29日に明らかになった。職員約1万人の37%を占める管理職を25%に減らし、よりフラットな組織とする。バブル経済期に大量採用した現在の管理職には、年齢に応じた役職定年を設け、早期退職も促す。また、記者やディレクター、技術など職種別の採用を廃止。来年4月に入局する職員から一括採用とする方針で、受信料の値下げや世帯数の減少で長期的な収入減が見込まれるなど、経営改革を進め、スリム化を図っている。(2021/1/29)

東京5輪の聖火リレーの生配信中に「五輪反対!」の音声を消す

 4月1日、NHKがネットで行っている聖火リレーの生配信中、長野市で「オリンピック反対」などという沿道からの声が聞こえた途端に音声が30秒間ほど途絶えた。技術的な問題ではなく「さまざまな状況に応じて判断し、対応した」と、NHKは意図的に音声を消したことを認めた。「公共放送と言いながら、あるものをないことにしようとするとは信じられない」と、市民グループ「オリンピックはいらないネットワーク」のメンバーの声。国内も、世界の各国でも「五輪開催」に否定的な声が半数を超えているにもかかわらず、その声を押しつぶすようなNHKの行為は改ざんそのもので許されない。(2021/4/1)

東京五輪開催を討論する特番 急きょ中止 

 2021年1月24日、放送予定の「NHKスペシャル」で「令和未来会議 どうする? 東京オリンピック・パラリンピック」という討論番組を急きょ別番組に差し替えられた。NHKは菅首相や森会長に忖度したのではないかと云われている。
この番組は五輪開催の是非を討論する番組だったが、差替えは放送総局長ら上層部の判断で行われ、「専門家や一般視聴者を招いて討論すれば、開催に否定的な意見が出てくるのは間違いない。それを危惧した上層部が官邸や五輪組織委への忖度で延期したのではないか?」と労組が経営陣に説明を求めた。経営側は、「このタイミングで半年先の大規模スポーツイベントをどう開催するかという番組を放送することは、『令和未来会議』がめざす『冷静で建設的な議論の機会を提供する』ことにつながらないと判断した」と回答。そして、この番組「令和未来会議」は3月21日夜9時のNHKスペシャルで五輪メダリストや大会関係者らによる討論番組として放送された。(2021/1/24および3/21)

2020年、年の瀬にEテレ売却論 内閣官房参与の元財務官僚・高橋洋一嘉悦大学教授

「Eテレは視聴率が低いので、テレビではなくネットで配信し、電波は売却すれば受信料も半分程度に下げられる」と主張。これに対して「最も公共放送らしいEテレ売却なんて馬鹿げている」(堀潤氏)。「Eテレは色んな年齢や状況の人々に文化へのアクセスを提供する大切なインフラ。視聴率だけで評価はできない」(ロバート・キャンベル氏)。「NHK報道には山ほど批判はあるが、教育テレビを無くすといわれれば、NHKを守れという運動を始めるしかない」(山口二郎氏)と批判の声、ツイッターにも反対の声が続々寄せられた。前田NHK会長も「教育テレビはNHKらしさの一つの象徴。それを批判売却すればいいという話には全くならない」と述べている。(ジャーナリスト 2020/12/25)

NHK受信料逃れに割増金

 12月20日、総務省のNHKのあり方を考える有識者会議で、テレビ設置者への受信料の支払い義務化を見送る方針を示した。総務省が同会議へ検討を求めていたが委員の批判が相次いだため。
またNHKが要望していたテレビ設置の届け出義務化や、未払い者の氏名など居住者情報を照会できる制度の導入も見送った。
一方、テレビを持ちながら受信料を払わない人には、割増金を課す制度を法制化する方針を表明した。(毎日 2020/11/21)

NHK、SNS企画でおわび

「もし75年前にSNSがあったら」という設定で、実在の被爆者が残した日記や手記などをもとに若者らがツイッターで投稿を続ける企画「ひろしまタイムライン」について、NHK広島放送局は9月24日「配慮が不十分だった」のおわびする文章をホームページに掲載した。75年前の中学1年生の手記を基に、駅での混乱の様子について「朝鮮人だ! 大阪駅で戦勝国になった朝鮮人の群衆が、列車に乗り込んでくる!」などと投稿。「差別を助長している」といった批判があがっていた。広島局は「配慮不十分だった。迷惑をおかけした」とおわびした。(毎日 2020/11/21)

テレ朝労組が民放労連脱退

7月25日,テレ朝労組が民放労連を脱退した。キー局労組の労連脱退は初めて。民放労連加盟組合員は約7000人。テレ朝労組700人余りが抜ける影響は小さくない。脱退理由についてテレ朝労組は①政治方針などの対立 ②会費問題を挙げている。しかし、労連新委員長の高木氏によると「MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)のスポンサーへの行動が脱退の大きな原因だったことは間違いない」と発言している。テレビ朝日は昨年暮れ、看板番組の「報道ステーション」を支ええたベテラン派遣ディレクターらスタッフ十数人に「3月末契約打ち切り」を通告。相談を受けたMICは2月、国会で院内集会を開き、テレ朝に派遣スタッフ契約終了の撤回を求める集会宣言を採択し,スポンサー企業にも送付した。高木氏の「MICの行動」とはこのこととみられる。派遣労働者を守る当然の運動が労連脱退につながったというのだ。テレ朝の番組制作者が「メディア支配」を継承する菅新政権の攻勢に事実上”丸腰”で立ち向かうことを余儀なくさせる。(ジャーナリスト 2020/9/25)

NHK「バリバラ」第1部、再放送直前に差し替え

 4月25日(土) 深夜の0時からNHK Eテレで再放送予定だった「バリバラ桜を見る会~バリアフリーと多様性の宴~第一部」が、急遽(放送の30分前)他の番組(3週間前のコロナ情報の再放送番組)に差し替えられ、放送されなかった。「バリバラ」は「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティーにとっての”バリア“を無くし、多様性のある社会を目指す。」という基本的な考え方で制作する番組。この番組では性暴力を受けた伊藤詩織、在日へのヘイトと闘う崔江衣子、混血児の副島淳氏らが登場し、差別とヘイト攻撃の体験を語った。この番組には安倍首相がモデルの「アブナイゾウ総理」や明らかに麻生副総理とわかる「無愛想太郎」なる人物が登場する国会質疑のコントも挿入されていた。放送後、右翼や自民党議員からの抗議が殺到したと言われ、再放送の突然の差し替えは、こうした圧力によるとの疑いが強い。(NHKとメディアを考える東海の会通信 No21 2020/6/1)

新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)~NHK,指定公共機関に

 3月13日、特措法が改正され、新型コロナが追加されました。この改正特措法に基づいて、「緊急事態宣言」が出されれば、指定公共機関であるNHKに対して首相が「必要な指示をすることができる」と規定されています。表現の自由や、国民の知る権利はどうなるのでしょうか。
特措法には緊急事態宣言のもとで放送事業者の果たす必要な措置について具体的な明記がありません。あいまいな指定の一方、政府対策本部本部長(総理大臣)が、指定公共機関に指示することができるとされており、放送内容に介入する余地があり極めて問題です。例えば政府は自粛要請のキャンペーンを強化する必要からNHKに指示を出すことも考えられます。放送法第3条には、放送番組は法律で定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、または規律されることは無いと定めていますが、安倍首相は特措法を理由にキャンペーン放送を押し付けてくるかもしれません。もしこのような指示があった場合はNHKは公表すべきです。さらに問題なのは特措法では指定公共機関に政府が行う総合調整への参加、対策本部への職員の派遣、情報・資料の提供などが努力義務として課せられています。NHKはこの要請に応じ、行政と一体になった総合調整の結果が報道の枠組みとなり、様々な問題を報じるのが難しくなるでしょう。取材で得た情報や資料まで提供するとなれば政府対策本部と一体化した翼賛報道そのものです。 (NHKとメディアを考える東海の会通信 No21 2020/6/1)

NHK、まとめサイトを提訴

 京都アニメーションの放火殺人事件をめぐり、ネット上の情報をまとめたサイトが虚偽の情報を拡散したとして、NHKは24日、サイトの編集長を相手取り700万円と同サイトでの謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした。問題のサイトは「LHMAGAZINE」。事件発生後間もなく、NHKのディレクターが容疑者の遺留品を回収しているかのように加工されたNHKニュース映像の画像を掲載し、「なんで警察が来る前に勝手に回収してんだよ」の投稿を引用し拡散した。(朝日デジタル 2020/1/24)

NHK同時配信認可~ネット視聴、3月にもスタート  

 (注:タイトル右端の★印の記事はJCJ機関誌「ジャーナリスト」を参考とさせて頂きました。)
NHKのテレビ番組が放送と同時にテレビで見られる「常時同時配信」が、今春にスタートすることが決まった。総合テレビとEテレが対象で、過去1週間分の番組がネットで視聴できる「見逃し配信」も始まる。総務省が14日、NHKが申請していた常時配信の実施基準を認可した。(朝日 2020/1/25ほか)★

契約終了通知撤回を~テレ朝に抗議声明

 日本マスコミ文化情報労組(MIC)は10日、テレビ朝日が昨年末、番組リニューアルを理由にして「報道ステーション」の社外スタッフ約10人に、契約終了を通知したしたことに対する抗議声明を発表した。「10年前後の経験豊かなスタッフの大量排除は、事実上の番組解体につながる」と批判。今回の強引な労務政策により、番組スタッフ以外にも不安が広まっていると指摘。「メディア関連労組として、雇用不安がジャーナリズムの委縮に繋がることを危惧している」と述べ、契約終了通知の速やかな撤回を求めた。(赤旗 2020/1/11ほか)★

新聞の総発行部数3780万1249部、前年比5.3%減

 減少幅は過去最大だった18年と同じだった。部数では約210万部の落ち込み。減少幅は九州が最も大きく6.9%減、大阪、四国、東京(5.8%)、関東と続く。人口千人当たりの部数は30部となった。(新聞協会報 2020/1/1号を参考)

電通、違法残業で是正勧告(東京 2019/12/6ほか)★

 広告大手「電通」で、2018年に社員の違法残業などの労働基準法と労働安全衛生法違反があったとして、三田労働基準監督署が9日に是正勧告していることが分かった。同社では新入社員高橋まつりさんが過労自殺。法人として労働基準法違反罪で有期判決を受け、確定したにもかかわらず、適正な労務管理をしていなかった実態が指摘された。

総務相、NHK同時配信を留保(東京 2019/11/9付ほか)~および続報(朝日 2019/1/15付ほか)

 高市総務相は11月8日の閣議後の記者会見でNHKから認可申請があったテレビ番組のインターネット同時配信に関連して、NHKに受信料の在り方や業務の縮小、効率化を検討するよう要請したことを明らかにした。NHKは認可を得て2019年度中の同時配信を予定していたが、総務省は業務拡大が事業支出の増加につながるとして、現状では認可の適否を示さなかった。NHKは計画の修正が不可避となりそうだ。(東京11月9日付け)
NHKはこれを受けて配信時間を短くする方向で検討していることが分かった。1日24時間配信を予定していたが、深夜などの時間帯は配信しない変更案が浮上している。(東京 2019/12/1付ほか)
同時配信が今春からスタートすることが決まった。総合テレビとEテレが対象で、過去1週間分の番組がネットで視聴できる「見逃し配信」も始まる。総務省が14日、NHKが申請していた常時配信の実施基準を認可した。(朝日1月15日付ほか)

天皇の即位に伴うパレード「祝賀御列の会」11月10日、行われた。NHKと民放キー局5社は特番を編成し、このパレードを完全中継(ジャーナリスト第740号 2019年11月25日)★

 「カメラ46台展開、歴史に残る30分お届け」(NHK)、「新時代の幕開け祝う“歴史的瞬間”に歓喜」(日本テレビ)、「新時代に祝うの調べノーカット生中継」などと、各局が”奉祝報道”を競い合う。憲法憲法第4条が定める国事行為としての「即位の礼」は、このパレードで五の儀式がすべて終わったが、メディアの報道に共通するのは憲法の国民主権や政教分離原則に根差した報道が欠落していた。特に問題なのは、NHKが違憲の大嘗祭費の公的予算・宮廷費支出を容認したことで、これは政教分離を定めた憲法に違反する。岩田記者がフェイクを交えて解説した。

厚生労働省は2019年度の「過労死等防止対策白書」を発表(朝日10月2日付ほか)★

 過労防止大綱で重点業種と位置付けられた建設、メディアの両業種を分析した。建設は現場監督、メディアは若い世代に過労自殺が集中していると指摘。メディアの52件では、広告が26件と最多、放送17件、出版6件、新聞3件と続いた。精神障害が認められた30件のうち、19件が20~30代の若い世代で、過労自殺した4人はすべて20台だった。

早回しで投球映像加工~TBS系「消えた天才」休止(毎日9月6日付ほか)★

 バラエティー番組「消えた天才」(日曜午後8時)の8放送分で、映像を早回しすることで、少年野球の投手の投球の実際より早く見えるよう加工していたと発表した。すべての調査を終えるまで放送を休止するという。

新聞協会賞に秋田魁新報社、毎日新聞など(朝日9月5日付ほか)★

 新聞協会が2019年度新聞協会賞の編集部門で、秋田魁新報社「イージス・アショア配備問題をめぐる『適地調査、データーずさん』のスクープなど一連の報道」、毎日新聞大阪本社の「台風21号関空大打撃」(写真)、日本経済新聞社の「連載企画『データーの世紀』とネット社会に関する一連の調査報道」が選ばれた。

「あいちトリエンナーレ2019」に関するニュース(8月1日~10月14日の各紙の新聞を当会が纏めました)

 あいちトリエンナーレは3年毎に開催される国内最大規模の国際芸術祭で、国内外から90組以上のアーティストを迎え、国際現代美術展のほか、映像プログラム、パフォーミングアーツ、音楽プログラムなど、様々な表現を横断する、最先端の芸術作品を紹介している。開催期間は8月1日から10月14日の予定で開幕した。
 しかし、そのなかで、元従軍慰安婦を題材とする「平和の少女像」などを展示した企画展「表現の不自由・その後」が、わずか開幕3日で中止された。脅迫や電凸(電話攻撃)がその理由えあると実行委員会会長の大村知事は発表した。中止翌日の4日、抗議行動に集まった市民を中心に「再開を求める愛知県民の会」が発足した。この会は再会求める署名運動や集会を行って抗議行動を続けた。7日には大村知事あてに再会の要望書を提出した。その後実行委員会で議論を重ね、10月8日、66日ぶりに再会された。作家たちや市民団体の素早い運動、約10万筆の署名活動、1000万円を超えるクラウドファンディングによる活動資金集め、などによる市民の支援よって再開できた。再開して7日後の14日に閉幕した。
 展示をめぐり、表現の自由が脅かされた。実行委に参加する名古屋市長が2日に少女像の撤去を要請したほか菅義偉官房長官が国の補助金交付について慎重に検討する考えを示した。その後9月26日、文化庁は不交付を決定、大村知事は決定の取り消しを求め、補助金適正化法に基づく不服申し出をすると発表した。市民団体は交付の要請運動始めた。

NHK「N国党主張に誤りなら放置せず」(毎日7月25日付ほか)★

 NHKの木田幸紀総局長は24日の定例記者会見で、参議院で議席を獲得した「NHKから国民を守る党」が主張する、NHK受信料を払った人だけが番組を視聴できるスクランブル放送について、否定的な考えを示した。その上で「受信料制度について誤った理解を広げる行為や言動は放置せずに対応したい。明らかな違法行為があれば厳しく対処する」と述べた。

NHK吉本興業に要望(朝日7月5日付ほか)★

 吉本興業のお笑い芸人らが振り込み詐欺グループの宴会に参加し金銭を受け取っていた問題について、NHKの上田会長は4日の記者会見で「番組の出演者をめぐって視聴者から不信感や疑念を抱かれることがないようしっかり対応して参りたい」と述べた。担当者によると、番組制作に影響が出かねないような情報があれば、速やかにNHKに伝えるよう求めた。

ロシア記者軟禁で抗議の2000人を拘束(東京6月14日付ほか)★

 ロシアの独立系ニュースサイト「メドゥーザ」のイワン・ゴルノフ記者が麻薬密売容疑で捜査当局に一時拘禁されたことに抗議する市民ら数百人以上が12日、モスクワ中心部に集まった。野党系サイトによると約200人が拘束された。

公的文書、西暦も記入を~憲法学者ら訴え(東京6月7日付ほか) ★

 官公庁など公的機関の文書で年月日表示が元号だけなのは不便として、学者やジャーナリストらでつくる「西暦併用を求める会」が6日、都内で記者会見し、西暦を併記するよう求める声明を発表した。声明では元号が国内でしか通用しないことや、連続性が無いことを問題視。データー管理など様々な場面で西暦との換算を強いているとし、「国民主権の下にある公的機関ならば、実用性に優れる西暦も併記するべきだ」と訴えた。

日本の報道独立性疑念~国連特別報告書(しんぶん赤旗6月7日付)★

 国連のデービット・ケイ特別報告者が、日本メディアの独立性に懸念を示す新たな報告書をまとめたことが6月5日分った。放送番組の政治的公平性を定めた放送法4条の撤廃などを求めた2014年の勧告について、履行されていないと指摘している。菅義偉官房長官は同日の記者会見で、報告書について「受け入れられない」と反論した。

菅義偉長官、記者に「指しません」(朝日5月30日付)★

 菅官房長官は5月29日の会見で、東京新聞記者の質問に対して「その質問だったら指しません」と述べた。

NHK受信料、支払い率8割に (朝日5月26日付ほか)★

 NHKは2018年度末の受信料支払率(推計)が81.2%だったと発表。前年度末から1.8%上昇し、公表の始まった11年度以降最高。初めて80%を超えた。最も高かったのは秋田の98.3%、最も低かったのは沖縄で51.0%。

改正放送法が成立 NHKテレビ放送 ネット常時同時配信可能に(2019年5月29日)★

 NHKのテレビ放送のインターネットへの常時同時配信を認める改正放送法が、参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。 今回の法改正で可能になる常時同時配信は、NHKのテレビ放送と同時に、インターネットでも常に放送を見ることができるようにするというサービスです。
 NHKは、この常時同時配信を放送の補完と位置づけていて、受信契約を結んでいる世帯は、追加の負担なく利用できるサービスにする考えです。

NHK予算承認(2019年3月29日)★

NHKの新年度予算が参議院本会議で、全会一致で承認された。この予算は事業収入が7247億円、事業支出が7277億円で、4K・8K放送の充実や緊急報道体制の強化などが盛り込まれている。
 3月19日の衆院総務委員会で、共産党の本村伸子議員は、新年度予算では4K8K放送やインターネット活用事業が大幅に増額されている。4K8Kの普及は昨年末で全世帯の1%たらずである。ネット同時配信に対して民放連は「抑制的な運営」を要望しているとして「視聴者や民放連の意見を反映させるべきだ」と質問した。NHK上田会長は「視聴者の理解を得ながらすすめる。インターネット活用業務の費用は、適正な上限のなかで、抑制的な管理に努めたい」と答えた。また、受信料徴収業務の法人委託化が進むなか、訪問した契約社員が「最高裁判決が出ている」など強引に契約や支払いを迫る実態を例示し、最高裁判決を振りかざした契約や徴収はやめるよう訴えた。上田会長は「訪問員に指導の徹底をはかる」と答弁した。

ワンセグ付スマホも受信契約が必要と最高裁判決(2019年3月13日)★

最高裁がワンセグ携帯はNHK契約が義務である、という旨の判決を下しました。
ワンセグ携帯の所有が放送法で定める受信設備の設置」に該当するかが争われており、一審さいたま地裁は2016年に「ワンセグ携帯は、『設置』は設け置くとの意味で、『携帯』の意味は含まない」とし、契約義務を否定しました。しかし、18年の二審東京高裁では「『設置』には『携帯』も含むと解すべきだ」と判断し、一審判決を取り消し、NHK側の逆転勝訴としました。最高裁でワンセグ携帯は「契約の義務がある」と判断されたため、司法判断は確定しました。

官邸、特定記者を排除(2018年12月28日)★

 首相官邸報道室長名での内閣記者会に東京新聞の特定の記者(望月衣塑子記者)の質問を「事実誤認」「度重なる問題行為」と断定し、文書で申し入れた。新聞労連やJCJは「明らかな言論弾圧だ」と抗議声明を出した。
 その後も報道の自由、言論弾圧問題として広がりを見せ、各地の市民団体から官邸へ抗議文を提出したり、望月記者を支援する署名運動も広がっている。3月に入ってからもマスコミ労組会議主催の「知る権利を守る3.14官邸前行動」を行い望月記者をはじめ各新聞社の現役記者達が次々と抗議の声を上げた。

BS4K8K放送開始(2018年の12月1日)★

 12月1日から、現在のBS放送とは別に4K8K放送の新しいチャンネルが増えました。4Kは、NHK、民放、ショッピングや映画専門局など合計17局、8KはNHKの1局だけです。視聴するには4K対応テレビ(チューナー内蔵テレビまたは外付けチューナー含む)が必要で、状況によりブースターなど別の機器が必要になります。また、NHKの4Kと主要民放6局(今回は4局のみ)は従来のアンテナで視聴できますが、それ以外の4K局とNHKの8Kは、新たな対応するアンテナが必要です。
 現在放送の2Kと何が違うのか、というと、4Kはその四倍,8Kは十六倍の高精細度となっています。しかし、実際には50インチ以下のテレビ画面では、現在の2Kとほとんど差がありません。4K対応テレビ(チューナー無し)55インチでは20数万円、チューナーは3万数千円。8Kチューナー内臓60インチテレビは75万円程度、4K8K対応アンテナは5千円から2万円程度。番組はNHKは音楽・伝統芸能・エンターテイメントや独自の特集などを予定。民放は当面2K番組(従来のBS)をアップコンバート(変換)したものを出すだけで、各社は4K機材で制作した番組を随時増やしていく方針です。
 4K8Kテレビを推進してきたのは、総務省とNHKです。産業界(家電メーカー) は強い要請などを行っておらず、SONYとパナソニックは本放送が開始1カ月後になってもチューナー内蔵テレビを発売せず消極的です。民放は経営を圧迫されだけで消極的な対応です。

NHK受信料値下げ発表(2018年11月27日、)★

 NHKは今年の10月から予定されている消費税増税時に受信料を据え置き、2020年10月に地上契約35円、衛星契約60円を値下げすると発表しました。実質的な値下げ幅はそれぞれ59円、102円となり、減収は328億円と見込まれています。受信料収入の約4.5%に相当します。
 この値下げの発表は、NHKのネット配信を24時間できるようにする放送法改正案に関係していると思われます。

安倍政権による放送法第4条撤廃、放送制度改革は何を狙ったか

 安陪内閣による規制改革推進会議の放送制度改革は当初、①民放の放送と通信融合を進める上で、放送法第4条規制を外し、無規制のネット放送と同一化、②放送免許のハードソフト分離の徹底化、③NHKについては規制を維持し、ネット同時配信などを通じ公共放送から公共メディア化を進める3点を基本としていました。
 2018年6月4日の答申では、民放連、民放労連、放送語る会などが強く反対し、撤回の申入れをしたこともあって、①②が答申から外されました。しかし、安倍総理は総務省内で今後再検討を進めるとしたので目が離せない状況です。

受信料制度で最高裁が判決

NHK受信料制度は「合憲」であると、最高裁が初めて判断しました。2017年 12月6日の判決ですが骨子は次の通りです。

㋐NHKの財政的基盤を受信料で確保する仕組みは、憲法が保障する表現の自由の下、国民の知る権利を満たすために採用された。合理的で立法の裁量の範囲内にあり、放送法は憲法に違反しない。㋑テレビを持つ人がNHKからの受信契約申し込みを拒んだ場合、受け入れを命じた判決が確定した時点で契約が成立する。㋒判決確定で契約が成立した場合、テレビを設置した月以降からの受信料を支払わなければならない。

 以下、新聞に掲載された法政大学名誉教授・須藤晴夫さんの論評の一部を紹介します。
現在、受信料の未契約が約900万世帯、契約済みの滞納が100万世帯です。不払いの理由は、日本軍慰安婦をめぐる番組改変問題、安倍政権下で政府に配慮した放送内容、会長選出の不透明さや、またネットやスマホが普及する中でNHKは見ないという若者が多い現状の問題があります。

 最高裁判決をお墨付きに、受信契約と支払い義務化の強制を進め、受信料負担の不公正さの改善や経営の安定を図っても、直面する問題の解決にならず、むしろ市民の不信感を増すだけです。受信料の不払いも市民からの注文の一つの形であり、NHKはその声に耳を傾け改善を図ることが、相互関係・信頼の構築が成り立ちます。
いまNHKがなすべきことは、権力から独立した番組活動、経営委員や会長の公募・公選制など市民が参加できる経営制度改革への取り組み、徹底した情報公開とNHK組織の民主的運営などであり、その作業のプロセスから市民が「私たちのNHK」と思う状況を作り出すことです。